第459話彼の前では彼女は謙虚すぎる

「アクセル、ゾーイの婚約の話、聞いた?」

来客は、到着するより先に思わず口をついて出ていた。

彼女はそのまま扉を押し開ける。

驚いたことに、そこにいたのは可憐で、どこか儚げな少女だった。

カリスタの表情はたちまち変わり、反射的にまくし立てる。「あなた、誰? どうしてスティーブンス邸にいるの? アクセルはどこ? どうしてあの人が、あなたを自分の部屋に入れたのよ?」

というのも、カリスタにとってアクセルはいつだって品行方正で、両家の婚約が解消されたという話も出ていない。ならば、自分以外の女が彼の家にいるはずがなかった。

真っ先に浮かんだのは、この女が使用人か誰かに金でも握らせて、こっそ...

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